介護福祉士 平成25年度(第26回)試験問題

発達と老化の理解

発達と老化の理解

問題69 高齢者の年齢に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.高齢社会とは、全人口を占める70歳以上の人口の割合が14%以上の社会をいう。
2.後期高齢者とは、75歳以上の高齢者をいう。
3.普通自動車対応免許を有する65歳以上の者は、その運転する自動車に指定の標識をつける義務が生じる。
4.介護保険制度で第2号被保険者になる年齢は、65歳以上である。
5.「高齢者虐待防止法」では、60歳以上の高齢者としている。
(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

答え:正解 2
1.× 世界保健機構(WHO)の定義では、高齢者化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」としています。
2.○ 後期高齢者とは75歳以上であるが、後期高齢者医療制度では、65歳以上75歳以上未満の政令で定める程度の障害の状態にある者も被保険者となります。
3.× 普通自動車体免許を有する70歳以上の者は、高齢者標識(高齢者マーク)を付けることが義務づけられています。
4.× 介護保険制度では、第2号被保険者とは40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。65歳以上の人は第1号被保険者です。
5.× 高齢者虐待防止法では、高齢者とは65歳以上の者と定義されています。

 

 

問題70 Aさん(73歳、男性)は、最近、電話番号が覚えられないとこぼすようになった。自宅へ電話するときは間違えないが、普段はあまり電話しないような場所にかけるときは、メモを見て一つ一つ数字を確認しながらでないと番号を間違えることが多い。受診したが認知症(dementia)ではないと言われた。

 障害されている記憶として、正しいものを1つ選びなさい。
1.短期記憶
2.エピソード記憶
3.意味記憶
4.手続き記憶
5.遠隔記憶

答え:正解 1
1.○ 短期記憶とは、短期的に保持される記憶のことです。
2.× エピソード記憶とは、個々の経験・体験の記憶のことです。特に覚えようとしなくても、自然に脳に蓄積される記憶です。
3.× 意味記憶とは、生まれてから学習するすべての記憶です。
4.× 手続き記憶とは、ピアノの弾き方、自転車の乗り方などのように、思考を介さずに獲得されて再現される記憶のことです。
5.× 遠隔記憶とは、幼児期や青年期に体験した出来事のように、本人には直接かかわりのない事柄について長期間にわたって記憶することです。

 

 

問題71 2010年(平成22年)の「国民生活基礎調査」で示されている、介護が必

要となった主な原因として、最も多いものを1つ選びなさい。
1.心疾患(heart disease)
2.呼吸器疾患(respiratory disease)
3.骨折(fracture)・転倒
4.脳血管疾患(cerebrovascular disease)
5.認知症(dementia)

答え:正解 4
1、2、3、5× 要介護別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合(総数)
では、1位=脳血管疾患、2位=認知症、3位=高齢による衰弱、4位=関
節疾患、5位=骨折・転倒の順になっています。
4.○ 上記解説を参照。

 

 

問題72 高齢者の疾患の特徴として、適切なものを1つ選びなさい。

1.症状が定形的である。
2.うつ症状は伴わない。
3.複数疾患の合併は少ない。
4.環境因子の影響を受けにくい。
5.生活の質(QOL)への影響が大きい

答え:正解 5
1.× 高齢者の疾患は、病気の症状が非特異的・否定型的という特徴があります。
2.× 高齢者が病気になったり、不安になったりしたときには、うつ状態になる可能性が高いです。
3.× 高齢になるにつれて有病率が高まることから、高齢者では複数の疾患に罹患していることが多いです。
4.× 高齢者は環境因子の影響を受けやすいです。
5.○ 「生活の質」とは、どれだけ人間らしい生活を送れているかという尺度だが、高齢者では、それが阻害される状況が多くみられます。

 

 

問題73 肝疾患(liver disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.A型肝炎(hepatitis A)は、輸血後に発症することが多い。
2.B型肝炎(hepatitis B)は、慢性肝炎(chronic hepatitis)になることはない。
3.C型肝炎(hepatitis C)は、進行すると、肝硬変(liver cirrhosis),肝がん(liver cancer)への病態が変化していくことが多い。
4.E型肝炎(hepatitis E)は、日本国有のウイルス肝炎(viral hepatitis)の大部分を占める。
5.アルコール性肝障害(alcoholic liver injury)は、肝硬変(liver cirrhosis)に進行することはない。

答え:正解 3
1.× A型肝炎は、食べ物や飲み水を介してウイルスが体内に侵入する経口感染で起きます。
2.× B型慢性肝炎は、血液や体液を介して感染しますが、B型肝炎ウイルスの感染者の1割が発症します。
3.○ 慢性肝炎の約60%がC型肝炎から発症しています。
4.× E型肝炎は、汚染された生肉、生肝臓、水などの摂取で経口感染しますが、日本での発症例は少ないです。
5.× ルコール性肝障害では、肝硬変から肝がんに進行することがあります。

 

 

問題74 パーキンソン病(Parkinson disease)の代表的な症状として、正しいものを1つ選びなさい。

1.振戦
2.筋弛緩
3.多動
4.下痢
5.高血圧

答え:正解 1
1.○ パーキンソン病の四大症状は、@振戦(手足のふるえ)、A筋個縮=筋肉のこわばり、B無動(胴さが緩慢になる)、C姿勢反射障害(体のバランスがとりづらい)です。
2、3、4、5 × 

 

 

問題75 心房細動(atrial fibrillation)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.合併症として脳出血(cerebral hemorrhage)が多い。
2.75歳以上では、ワルファリン(warfarin)などの投与を避ける。
3.頻脈になることが多い。
4.80歳以上では、有病率は1%以下である。
5.高血圧とは関連がない。

答え:正解 3
1.× 心房細動があると、規則正し心房の収縮ができなくなり、心房内の血液の流れがよどんで脳梗塞(脳塞栓症)を発症することが多い。
2.× ワルファリン(warfarin)とは抗凝血薬の一つです。日本循環器学会のガイドラインでは、70歳以上では投与量の目安を低く設定しています。
3.○ 頻脈とは脈拍数が異常に多い状態です。心房細動は、高齢者に多く見られる不整脈です。
4.× 高齢になるほど有病率も高まります。日本脳卒中学会の発表では、日本人一般住民の心房細動有病率は1.3%、80歳以上では6%とされています。
5.× 高血圧による合併症に心房細動があります。高血圧の状態が続くと心臓の動きが乱れてしまい、心房細動が発生すると考えられます。

 

 

問題76 Bさん(76歳、男性)は、30年以上前から糖尿病(diabetes mellitus)があり、朝食の前に血糖降下薬を内服している。薬剤や用量は5年前から変更はなく、医師からは、インスリン(insulin)の分泌を増やす薬であると説明されている。また、糖尿病(diabetes mellitus)の影響で、だんだんと腎臓の機能が悪くなっているともいわれている。Bさんは、「最近、夕方になるとひどくおなかが空き、『ふわふわする』と感じる。今日もお内容な感じがあったが、クッキー1つ食べたら良くなった」と言った。

 Bさんへの介護職の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
1.クッキーなどの甘いものは食べないように、助言する。
2.早めに主治医に相談するように、助言する。
3.めまい外来を受診するように、助言する。
4.1週間ほど経過をみるように、助言する。
5.午後に運動を増やすように、助言する。

答え:正解 2
1.× 低血糖時に対処する糖分の補給には、クッキーは有効といえます。
2.○ 速やかに主治医に相談します。
3.× めまい外来への受診を勧めることは、医療職の指示を受けた上で行うべきです。
4.× 速やかに上司や医師へ報告しなければなりません。
5.× 急な運動は好ましくありません。