介護福祉士 平成25年度(第26回)試験問題

介護過程

介護過程

問題61 介護過程に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.介護職の経験に基づく実践の方法を、文章化することである
2.ケアプランを立案することである。
3.施設などで集団のケアを実践することである。
4.介護の目標を実践するための、客観的で科学的な思想と実践の課程のことである。
5.介護職が望む、よりよい生活を実現することである。

答え:正解 4
1、2、3 × 介護過程とは、より質の高い介護を達成するためのプロセスであり、介護を勧めていく上での手順や経過という意味です。単に、文章化すること、立案、集団ケアの自船というだけのもではありません。
4.○ 介護過程の流れは、アセスメント、課題の明確化、介護計画、実践、評価といった流れとなります。
5.× 望むのは介護職ではなく利用者であり利用者の家族です。

 

 

問題62 利用者Nさんの主観的情報を介護職が記録したものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1.Nさんは、「なんとなく気持ちが悪い」と言った。
2.Nさんは、息遣いが荒く苦しそうだ。
3.Nさんは、主食を半分、副食を全量摂取した。
4.Nさんは、休むことなく廊下を3往復した。
5.Nさんは、朝の体温が37.5度で高めだった。

答え:正解 1
1.○ 介護職の記録する主観的情報とは、利用者の言ったことをそのまま書くことです。
2.× 「Nさんが苦しそう」という利用者の状態は客観的情報です。
3.× 利用者の食事の量の記録は、客観的情報です。
4.× 利用者がしたことの記録は、客観的情報です。
5.× 利用者の体温の記録は、客観的情報です。

 

 

問題63 生活上の課題に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.課題が複数ある場合は、優先順位をつける。
2.潜在的なものは取り上げない。
3.問題解決思考では明確化できない。
4.個人因子による課題よりも環境因子による課題を優先する。
5.課題を抽出するためには、1つの情報を解釈すればよい。

答え:正解 1
1.○ 優先順位をつけると、課題が明確になります。
2.× 潜在的な課題は顕在する課題よりも重要な場合があります。
3.× 問題解決思考とは、疑問を持つ思考であり、問題提起をして課題を明らかにして解決する方法です。
4.× 個人因子、環境因子のいずれからも生活課題に取り組むようにしています。
5.× 課題を抽出するためには、多面的にさまざまな情報を分析・解釈することが必要です。

 

 

問題64 介護計画の立案に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.今までの生活習慣は考慮しない。
2.実践方法は抽象的に表現する。
3.介護職の意向を優先する。
4.利用者と家族の意向を反映する。
5.計画の見直しの時期は決めない。

答え:正解 4
1.× 今までの生活習慣は考慮しなければなりません。
2.× 実践方法は抽象的ではなく、より具体的に記述しなければなりません。
3.× 介護職の意向ではなく、利用者や家族の意向を反映しなければなりません。
4.○ 介護計画には、利用者と家族の意向を反映しなければなりません。
5.× あらかじめ計画の期間や見直しの時期は、決めておかねばなりません。

 

 

問題65 介護記録に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.予測できることは事前に記録する。
2.家族の言動は記録しない。
3.介護職が判断した内容も記録する。
4.利用者の気持ちを憶測して記録する。
5.介護計画どおりに実施した場合は記録しない。

答え:正解 3
1.× 介護記録には、予測ではなく起こった事実のみを記録します。
2.× 家族の言動は介護の貴重な参考となります。
3.○ 介護職が判断した内容も記録しなければなりません。
4.× 介護記録には、憶測は書かないようにします。
5.× 計画どおりに実施できたできなかったに関わらず、すべてを記録します。

 

 

問題66 介護計画の評価に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.責任者は、介護支援専門員(ケアマネジャー)である。
2.短期目標は、評価の際の基準になる。
3.利用者と家族の意向は参考にしない。
4.決められた日以外に行うことはない。
5.結果を重視して、実践課程は評価しない。

答え:正解 2
1.× 介護計画の評価は、介護支援専門員も含み介護ケアチーム全体で行い、責任者は施設の管理者となります。
2.○ 短期目標は、解決すべき課題及び長期目標を段階的に対応し解決結びつける行動目標であり、評価の時の基準となります。
3.× 利用者と家族の意向は評価の参考にしなければなりません。
4.× 介護計画の評価には、より多くの関係者が参加できるように、調整を図らなければなりません。
5.× 結果は大切だが、実践課程も重要であり、評価を行います。

 

 

次の事例を読んで、問題67、問題68について答えなさい。
【事 例】
 Sさん(65歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症として、右片麻痺があり、認知症(dementia)がある。普段の体温は36度、血圧140/80mmHG程度で安定している。認知症(dementia)の症状に波があり、良い時と悪い時がはっきりしている。ろれつが回らず言葉がはっきりとしない、ちょっとしたことで泣いたり、急に怒りだしたりするときもある。
 上着は自分で着ることができるが、ズボンの上げ下げに時間がかかる。トイレに行きたいとたびたび訴えるが、間に合わず漏らしてしまうこともある。膀胱・尿道に弛緩や障害はない。便秘のため座薬が処方されているが、本人は嫌がっている。また、下着が汚れることを気にして、水分をあまりとろうとしない。
 介護目標として、「便秘が改善する」ことを掲げた。

問題67 Sさんに対する情報の解釈として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.着衣失行がある。
2.構音障害がある。
3.更年期障害(climacteric desturbance)がある。
4.体温調節機能障害がある。
5.パーソナリティ障害(personality disorder)がある。

答え:正解 2
1.× 着衣失行とは、間違った着方をしたり、手と首を出す場所が分からなくなったりする障害です。劣位半球または頭頂葉から後頭葉の損傷によって引き起こされます。Sさんは、時間はかかるが上着を自分で着ることができることから、着衣失行はみられません。
2.○ 「ろれつが回らず言葉がはっきりとしない」とあることから、構音障害があるといえます。
3.× Sさんは65歳であり、更年期障害よりも他の障害を検討するのが適切です。
4.× Sさんの普段の体温は36度であり、体温調節機能障害よりも他の障害を検討するのが適切です。
5.× パーソナリティ障害とは、大多数の人とは違う反応や行動をすることであり、Sさんの状況からはパーソナリティ障害ではなく、他の障害を検討するのが適切です。

 

 

問題68 介護目標に対する支援方法の記述として、適切なものを1つ選びなさい。

1.緩下剤の服用を促す。
2.水分を多めに摂取する。
3.朝食後、トイレで便座に座る。
4.ストレッチ体操を一部介助する。
5.朝食前に、腹部を10〜20回、時計回りにマッサージする。

答え:正解 5
1.× Sさんは、膀胱・尿道に疾患や障害はなく、下着が汚れることを気にしているといった状況から、緩下剤の服用は不適切といえます。
2.× Sさんは、膀胱・尿道に疾患や障害はないが、着が汚れることを気にして水分を取りたがらないという事から、水分不足による便秘の可能性も考えられます。Sさんの状況を見ながら、水分摂取を図ることは好ましいが、選択肢5が優先するといえます。
3.× 無理に排便を促すのではなく、自然に便意を催すように、食事や水分摂取に配慮します。
4.× ストレッチ体操は、介助するのでなく、できるだけ利用者本人の力で行うようにします。
5.○ 腹部マッサージは、腸のねじれなどに効果がありだけではなく、便秘改善にも有効です。