介護福祉士 平成25年度(第26回)試験問題

コミュニケーション技術

コミュニケーション技術

問題33 重度の運動性失語症(motor aphasia)のある人のコミュニケーションを促進する方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.ひらがなで筆談する。
2.言葉で話すように促す
3.絵や写真など視覚化された情報を用いる。
4.ボタン操作で音声が入力できる機器を使うように促す。
5.二者択一の問いかけはしない。

答え:正解 3
1、2 × 運動性失語症は、運動性言語中枢に障害があることから起きるもので、
言葉は理解できるが発語が困難です。また、漢字よりもひらがなが理解しづ
らくなります。ブローカー失語症ともいわれます。
3.○ 言葉は理解できるが発語が困難であるので、視覚化された情報を用いることは適切です。
4.× 失語症は、言語中枢が損傷されるために起こることであり、右片麻痺などを伴うことが多く、ボタンの操作のあるような危機の使用は適切ではありません。
5.× 運動性失語症のある利用者には、複雑な質問よりも二者択一の問いかけの方が適しています。

 

 

問題34 ICT(Information and Communications Technology:情報通信技術)を使った介護記録と情報管理の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.USBフラッシュメモリは、紛失や盗難の危険性が低い。
2.記録者以外が、入力したデータを修正してもよい。
3.データは気づいたときにバックアップ(backup)すればよい。
4.ウイルス対策ソフトを用いても、情報は漏れることがある。
5.パスワードは変更しない。

答え:正解 4
1.× USBフラッシュメモリは、小型であり、紛失や盗難の可能性は高いといえます。
2.× 情報管理の面から、記録者以外のデータの修正は禁止することが適切です。
3.× データは定期的にバックアップすることが望ましいです。
4.○ 完璧な対策は存在しません。ウイルス対策ソフトを導入していても安心はできません。
5.× パスワードは適宜変更しなければなりません。

 

 

問題35 「ヒヤリ・ハット」事例を共有する目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.事故の予防
2.事故の分析
3.情報の公開
4.苦情への対応
5.管理者への報告

答え:正解 1
1.○ 事故は、ヒヤリ・ハットから発展して起きるともいえ、事例の共有は、事故の予防につながります。
2、3、4、5 × いずれも過程であり、付随的な効果はあるが、最終的な目的とはいえません。

 

 

問題36 同一施設内で多職種が参加して行うカンファレンス(conference)の運営について、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.取り上げる議題は、利用者の支援内容を確認することに限定する。
2.会議資料は、事前に配布しないのが原則である。
3.司会者は、介護支援専門員(ケアマネジャー)と決められている。
4.カンファレンス(conference)の場を、職員のスーパービジョン(supervision)の機会としてよい。
5.多くの職員が参加しやすいように、カンファレンス(conference)は勤務時間外に設定する。

答え:正解 4
1.× カンファレンスでは支援内容の確認だけでなく、利用者のQOLの向上のためにさまざまな協議を行います。
2.× 会議資料は、あらかじめ配布しておくことでカンファレンスの質を高める効果があります。
3.× カンファレンスの場は、職員の研修が目的ではありません。
4.○ カンファレンスの場は、職員のスーパービジョンの実践の場として極めて重要な意味を持っています。
5.× カンファレンスは業務であり、時間的な調整は行わなければなりませんが、勤務に該当します。

 

 

次の事例を読んで、問題37、問題38について答えなさい。
【事 例】
 Fさん(80歳、女性)は2週間前に、リハビリテーション病院から介護老人保健施設に入所した。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症のため、構音障害と嚥下障害がある。また、よだれが流れて衣服が濡れてしまうことが多い。食事は、とろみをつけた刻み食を1人で摂取できるが、むせることが多い。介護職がFさんに「何を食べたいですか」と尋ねると、「あいうえをあえあい」(「お肉を食べたい」の意)という不明瞭な発音が返ってきた。

 

問題37 Fさんが「あいうえをあえあい」と話した時の介護職員の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.「正確に言い直してください」と促す。
2.「おにく」と自分が聞き取れた通りに繰り返す。
3.「口の体操をしましょう」と促す。
4.「よだれを拭いてください」とタオルを渡す。
5.「言いたいことはすべて書いてください」と言う。

答え:正解 2
1.× 命令的な口調は厳禁です。
2.○ 「おにく」と聞き取れた通りに繰り返して、Fさんを気遣う配慮が望ましいです。
3、4、5 × いずれの対応も利用者がどう思うかを考えれば、ふさわしい対応とはいえません。

 

 

問題38 Fさんの食事場面でコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.絶えず話しかける。
2.メニューを説明する程度の声かけにとどめる。
3.急いで飲み込むように促す。
4.今までで、いちばん思い出に残る食事は何かを聞く。
5.一口ごとに、必ず水を飲むように促す。

答え:正解 2
1.× 絶えず話しかけられるのは利用者にはストレスになります。
2.○ 過度にならなように適度な声かけが望ましいです。
3.× 嚥下障害の危険性があるので、行ってはいけません。
4.× 食事の楽しみを損ないかねず、実際の食事の場面では適切とはいえません。
5.× 1口ごとに水を飲むのは、水分の摂り過ぎにつながりかねません。

 

 

次の事例を読んで、問題39、問題40について答えなさい。
【事 例】
 Gさん(50歳、女性)は母親Hさん(80歳)と二人暮らしである。Hさんは5年前に認知症(dementia)と診断され、通所介護(デイサービス)を利用している。Gさんの兄は、Gさん宅から車で1時間の場所に住んでいるが、仕事が忙しいという理由で、Hさんの介護は行っていない。この1週間、Hさんは深夜に家の中を歩き回り、ドアを叩くので、Gさんは眠ることができない。
 次の記述は、通所介護(デイサービス)の介護職とGさんの会話である。

 

 介護職:「Hさんは、今日、デイサービスで眠そうで、寝て過ごすことが多かったです。」
 Gさん:「それで、母を起こしてくれましたか」
 介護職:「起こしましたが、すぐ寝てしまいました。」
 Gさん:「デイサービスを利用しているのだから、昼間は眠らないようにしてくれないと、私が困ります。母から夜に何度も起こされるので私は眠れません。兄は、私が介護で大変なことを少しもわかってくれない。皆さんも私の大変さをわかってくれないのですね」

問題39 話を傾聴していることがGさんに伝わりやすい会話の仕方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.Gさんにいすを勧め、立って話を聴いた。
2.Gさんが話している時、目を閉じて話しを聴いた。
3.Gさんが話す言葉を、正確に記録することに集中した。
4.Gさんに対面していすに座り、顔をまっすぐ見つめながら話を聴いた。
5.Gさんの話を、時々うなずいたりあいづちを打ちながら聴いた。

答え:正解 5
1.× 介護職が立ったままではGさんに威圧感を与えるので好ましくありません。
2、3、4、× 目を閉じたり、ずっと記録をとっているのではなく、適度に相手の目を見て話を聞く傾聴の姿勢で台東しなければなりませんが、対面で正面からじっと見つめるのは、Gさんが緊張するので好ましくありません。
5.○ うなずきやあいづちは傾聴の姿勢を示して好ましい。

 

 

問題40 Gさんの訴えに対する介護職のかかわり方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.Gさんの話に反論せず、黙って聞く。
2.Gさんの考えに同意して、兄を批判する。
3.Gさんが頑張っていることを認め、さらに努力するように伝える。
4.Gさんの介護の大変さからくる感情に共感し、そのことを伝える。
5.Gさんがどのように大変なのかを質問し、不満な内容を特定する。

答え:正解 4
1.× 黙って聞いているだけではなく、うなずいたりあいづちを打つなど、相手の話をしっかり聞いているという姿勢を示すことが重要といえます。
2、3 × いたずらにGさんに同調するのは適切ではありません。
4.○ 利用者の話を傾聴して理解する姿勢を示す、共感的理解が重要といえます。
5.× 質問によってその場で不満の内容を特定することは、Gさんの不満を増幅しかねません。