介護福祉士 平成25年度(第26回)試験問題

社会の理解

社会の理解

問題5 Cさん(32歳)は、来月、出産を控えている。同居する夫(35歳)は、正規雇用の正社員である。Cさんは、訪問介護事業所で非常勤(週30時間勤務)の訪問介護員(ホームヘルパー)として勤務している。1年単位の契約期間を更新して、これまで3年間働いてきた。事業主からは、出産した後も仕事を続けてほしいと頼まれている。妊娠してから今までは仕事を継続してきたが、出産後は育児休暇をとれないか検討している。

     「育児・介護休業法」に基づく、Cさんの育児休暇などの取得に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.Cさんが取ることができる育児休業時間は、最大で子どもが1歳になる前の月までである。
2.育児休業の終了予定日は、明らかにして申し出る必要がある。
3.育児休業は、Cさんの夫は取ることができない
4.小学校就学前の子どもが病気になった場合に利用できる休暇制度はない。
5.雇用の継続とは関係なく、Cさんは育児休業を取ることができる。
(注)「育児・介護休業法」とは、「育児・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。

答え:正解 2
1.× 育児休業の期間は、1歳になる前の月までではなく、1歳に達する日(誕生日の前日)までが原則だが、父母がともに育児休業を取るなど一定の場合は、1歳2ヶ月になるまで取得することができます。
2. ○ 育児休業の終了予定日については、事業主への申し出が必要とされています。
3.× 育児休業は、妻だけでなく夫も取得することができます。
4.× 年5日を限度として小学校就学前の子どもが病気になった場合に、看護休暇を取ることができます。
5.× 育児休業を取得できる有期契約労働者は「同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であり、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること」とされています。

 

問題6 地域における様々な事業主体やサービス提供主体に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.共同募金は、都道府県の区域を単位として行う寄付金の募集であって、地域福祉の推進を図るためのものである。
2.NGO(Non-Governmental Organization)は、営利を直接の目的とはせず、都道府県知事の認証を得て、在宅福祉サービス事業などの社会的活動を行う団体である。
3.NPO(Non-Profit Organization)は、国際人道支援などの社会的活動を行う団体である。
4.企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility : CSR)による社会貢献は、商品を安い価格で販売するなどの経済活動によって行われる。
5.コミュニティビジネス(community business)とは、市町村が主体となって、まちづくり・環境問題・介護・子育てなどの地域の様々な課題をビジネスの手法で解決するものである。

答え:正解 1
1.○ 共同募金とは、都道府県の区域を単位として行う寄付金の募集であって、地域福祉推進のための財源となるものです。
2.× NGOとは「Non-Governmental Organization(非政府組織」の略であり、営利を直接の目的とはせず、都道府県知事の認証を得て、在宅福祉サービス事業などの社会的活動を行う団体です。
3.× NPOとは特定非営利活動ともいい、「Non-Profit Organization(非営利組織)」の略であり、国際人道支援などの社会的活動を行う機関のことです。
4.× 企業の社会貢献活動には、経済活動だけでなく、環境保全、文化事業の開催・後援、災害時の義援金拠出などのさまざまな社会貢献活動が行われています。
5.× コミュニティビジネスは、市町村が主体となるのではなく、市民が主体となって、地域が抱えるさまざまな課題をビジネスの手法で解決するとともに、コミュニティの再生を通じて、その活動の利益を地域に還元する事業です。

 

問題7 ボランティア活動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.無償の活動に限定される。
2.個人が行う活動で法人が行う活動は含まれない。
3.特徴として、自発性や自主性が挙げられる。
4.社会貢献よりも、自己満足を達成することの方が重視される。
5.社会福祉に関する活動に限定される。

答え:正解 3
1.× ボランティア活動は、無償に限らず、交通費などの活動経費の実費を受けるものや、謝礼的な金銭の支払いを受けるボランティアも含まれます。
2.× ボランティア活動には、個人が行う活動に限らずNPO法人などによるボランティアも含まれます。
3.○ ボランティア活動の特徴は、個人の自由な意思に基づいて行う自主的・自発的な活動です。
4.× ボランティア活動は、自己満足よりも社会貢献が重視されるものです。
5.× ボランティア活動は、さまざまな分野で行われており、社会福祉に関する活動だけに限定されません。

 

問題8 少子高齢化に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.1950年(昭和25年)以降、出生数は一貫して低下し続けている。
2.1950年(昭和25年)以降、合計特殊出生率は2.0を超えたことはない。
3.1980年代前半、老年人口割合は年少人口割合を上回った。
4.2000年(平成12年)以降、65歳以上の者のいる世帯は過半数を超えている。
5.2012年(平成24年)現在、高齢化率は20%を超えている。

答え:正解 5
1.× 昭和46(1971)年〜昭和49(1974)年の第二次ベビーブームには、出生数は増加しています。
2.× 昭和40年代には、合計特殊出生率は、ほぼ2.1台で推移し、昭和50年に2.00を下回ってからは低下傾向が続きました。平成18年以降は上昇または横ばいの状態が続いています。
3.× 老年人口(65歳以上)割合が年少人口(0〜14歳)割合を上回ったのは、平成9(1997)年以降です。
4.× 平成22年国民生活調査では、65歳以上の者のいる世帯は、2,070万5千世帯(全世帯の42.6%)となりました。
5.○ 平成24(2012)年10月1日現在の65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,079万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は24.1%となりました(平成25年版高齢社会白書)。

 

問題9 市町村における社会福祉に関する計画として、正しいものを1つ選びなさい。

1.老人福祉計画は、その市町村内に老人福祉施設がなければ、策定しなくてもよい。
2.障害者計画は、18歳以上の障害者を対象としていて、障害児は含まない。
3.介護保険事業計画は、第1号被保険者の保険料の設定に関与している。
4.地域福祉計画は、市町村社会福祉協議会に策定が義務づけられている。
5.障害福祉計画は、具体的なサービスの量を設定しない。

答え:正解 3
1.× 老人福祉施設の有無にかかわらず老人福祉計画の策定は市町村に義務づけられています。
2.× 障碍者福祉計画には障害者、障害児ともに含まれています。
3.○ 市町村介護保険事業計画は、3年ごとの策定が義務づけられていて、市町村が作成したこの計画に基づき、介護保険料が設定されます。
4.× 地域福祉計画は、市町村社会福祉協議会ではなく市町村に策定の努力義務が課せられています。
5.× 市町村障害福祉計画では、具体的なサービスについての目標が設定されています。

 

問題10 社会保障に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.ナショナルミニマム(national minimum)の理念は、デンマークで生まれた。
2.社会保険制度は、保険料を支払った人に受給権を保障する仕組みである。
3.生活保護制度は、現物支給を行わない。
4.社会福祉制度は、性格困窮者の貨幣的ニーズの充足を目的としている。
5.社会手当制度は、サービスの現物給付を行う。

答え:正解 2
1.× ナショナルミニマムとは、国家がすべての国民に最低限の生活を保障すべきという理念です。イギリスのシドニー・ウェップが最初に提唱したとされています。
2.○ 社会保障制度は、保険料を支払って人に受給権を保障するものです。
3.× 生活保護制度のなかでも医療扶助などは現物給付となっています。
4.× 医療扶助などのように、非貨幣的ニーズについても充足を目的としています。
5.× 社会手当制度とは、子ども手当のように支給対象に該当する人からの申請に基づき支給されるものです。現物給付ではなく金銭給付です。

 

問題11 社会保障制度の歩みに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.国民年金法が1950年代前半に制定され、すべての国民を対象とする皆年金制度が
成立した。
2.国民健康保険法が1950年代前半に改正され、すべての国民を対象とする皆保険制度の基礎が作られた。
3.1960年代になり、老人福祉法、母子福祉法、「精神保健福祉法」の3法が制定され、福祉6法体制が確立した。
4.1970年代前半には、高齢者の健康増進のために老人保健法が制定された。
5.1980年代後半から国民年金制度の見直しが始められ、1990年代に入って基礎年金制度が創設された。
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

答え:正解 2
1.× 昭和34(1959)年に国民年金法が可決・成立し、昭和36(1961)年に国民皆年金が実現しました。
2.○ 国民健康保険法が1950年代後半に改正されて、昭和36(1961)年に実現した国民皆保険体制の足掛かりとなりました。
3.× 1960年代に、精神薄弱者福祉法(1960年)、老人福祉法(1963)年、母子福祉法(1964年)の3法が制定され、福祉6法体制が確立しました。精神保健福祉法(旧・精神衛生法、1950年)は福祉6法に含まれません。
4.× 老人保健法(現・高齢者の医療の確保に関する法律)は、国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的に昭和57(1982)年に制定されました、
5.× 基礎年金制度は昭和60(1985年)に創設されました。

 

問題12 介護保険法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.法の施行前は、国が高齢化対策に関しての計画を策定することはなかった。
2.家族の自助努力による介護の推進を基本としている。
3.保険給付は、介護給付と予防給付の2種類である。
4.国民の共同連帯の理念に基づくものである。
5.介護サービスの提供主体を社会福祉法人に限定している。

答え:正解 4
1.× 老人福祉法や老人保健法などの制定により、介護保険法成立以前から高齢化対策が実施されています。
2.× 法の目的では、「国民の共同連帯の理念に基づき」として社会全体で支え合うことを基本としています。→介護保険法第1条
3.× 介護保険制度における保険給付には、要介護者に対する介護給付、要支援者に対する予防給付と市町村が条例で定める市町村特別給付の3種類があります。
4.○ 法の目的では、「国民の共同連帯の理念に基づき・・・」としています。→介護保険法第1条
5.× 介護サービス事業には株式会社等の参入も可能です。

 

問題13 介護保険法に規定される要介護認定に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.要介護認定の対象は、65歳以上の者に限られる。
2.介護認定審査会は、要介護認定の結果を都道府県へ報告しなければならない。
3.要介護認定の取り消しが必要な場合は、都道府県が行わなければならない。
4.市町村は、要介護認定の審査及び判定の基準を定める。
5.市町村は、要介護認定の結果を当該保険者に通知しなければならない。

答え:正解 5
1.× 介護保険の第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。65歳以上の者には限られていません。
2.× 要介護認定の結果通知は、申請人に郵送で通知されるほか、市町村に報告されます。
3.× 要介護認定の取り消しは都道府県ではなく市町村が行います。
4.× 要介護認定の審査及ぶ判定基準は、全国一律に国が決定します。
5.○ 市町村は、要介護認定の結果を当該被保険者に通知しなければなりません。

 

問題14 地域包括システムの実現に向けた地域ケア会議に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい

1.地域課題の発見や地域づくり・資源開発の機能がある。
2.市町村社会福祉協議会に設置・運営が義務付けられている。
3.介護サービス事業者の第三者評価の役割を果たすものである。
4.要介護認定に関する不服申立ての審査を行う。                 
5.介護サービス利用者とその家族の参加が義務づけられている。

答え:正解 1
1.○ 地域ケア会議は、地域包括支援センター等が主催して自治体職員をはじめ医療、介護の他さまざま職種が参加して行われ、いろいろな機能があります。
2.× 地域ケア会議は、地域包括支援センター等において設置・運営されます。
3.× 地域ケア会議には介護サービス事業者の第三評価の役割はありません。サービス事業者の評価は、都道府県から認証を受けた第三者評価機関によって行われます。
4.× 不服申立ての審査は、都道府県が行うとされています。
5.× 介護サービス利用者とその家族の参加は義務づけられていません。

 

問題15 「障害者総合支援法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.財源が、税方式から社会保険方式に変更された。
2.対象となる障害者の範囲に、難病患者等が加えられた。
3.利用者負担が、応能負担から応益負担に変更された。
4.地域包括支援センターの設置が、市町村に義務付けられた。
5.重度肢体不自由者に対する重度訪問介護が創立された。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支点するための法律」のことである。

答え:正解 2
1.× 障害支援の財源は、社会保健方式ではなく税方式です。
2.○ 対象となる障害者の範囲に、難病患者等が加えられたことで、身体障害者手帳の所持の有無にかかわらず、必要と認められた障害福祉サービス等の受給が可能となりました。
3.× 原則として所得に応じた応能負担とされました。
4.× 地域包括支援センターの設置は、介護保険法によって定められています。
5.× 重度肢体不自由者は、従来から重度訪問介護サービスの対象でした。障害者総合支援法では新たに重度の知的障害者及び精神障害者もサービスの対象となりました。

 

問題16 「障害者虐待防止法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.対象となる虐待の範囲は、身体的虐待、心理的虐待及び性的虐待の3種類とされている。
2.市町村は、虐待に対応するために地域活動支援センターを設置することが義務づけられている。
3.家族による虐待に対しては、市町村が通報を受理して、身体障害者更生相談所または知的障害者更生相談所が対応することとされている。
4.施設サービスでの従事者による虐待は対象となるが、障害者の雇用主による虐待は対象外とされている。
5.医療機関の管理者は、医療機関を利用する障害者に対する虐待を防止するために必要
な措置を講ずることとされている。
(注)「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」の3ことである。

答え:正解 5
1.× 障害者虐待防止法で定める虐待は、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト、経済的虐待の5種類です。
2.× 虐待に対する対応ではなく、通報・相談窓口として障害者虐待防止センターの設置が義務づけられています。
3.× 家族による虐待に対しては、障害者虐待防止センターが受理して、相談を受け付け、市町村の障害福祉担当課が事実を確認、虐待の認定を行い、一時保護及び支援方針の策定の必要な措置を講ずることになります。
4.× 障碍者の雇用主も、障害者虐待防止法に定める虐待の対象となります。
5.○ 医療機関の管理者は、医療機関を利用する障害者に対する虐待を防止するために必要な措置を講ずることとされています。