介護福祉士 平成25年度(第26回)試験問題

こころとからだのしくみ

こころとからだのしくみ

問題97 生理的欲求に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.経験や学習から獲得される欲求のことである。
2.ホメオスタシス(homeostasis)の働きによって制御される。
3.他者からの承認などの欲求である。
4.マズロー(Maslow. A.H.)の欲求階層説では上位に位置する。
5.社会的・情緒的満足との関係が深い。

答え:正解 2
1.× 生理的欲求は、経験や学習から獲得されるものではなく、本能的・根源的な欲求です。
2.○ ホメオスタシス(恒常性)とは、生物が常に生理学的にバランスのとれた状態を維持しようとすることを示す概念です。ホメオスタシスの働きによる制御とは、自律神経系、内分泌系、免疫系におけるだけでなく、生理的欲求においても行われます。
3.× 生理的欲求は、承認の欲求とは別の欲求です。
4.× 生理的欲求は、欲求階層説では下位に位置します。
5.× 生理的欲求は、生命維持のための本能的・根源的な欲求です。

 

問題98 ランゲルハンス島を有する臓器として、正しいものを1つ選びなさい。

1.心臓
2.肝臓
3.腎臓
4.脾臓
5.膵臓

答え:正解 5
1、2、3、4 ×
5.○ ランゲルハンス島とは、膵臓の中にある島様の構造体で、グルカゴンを分泌するα細胞(A細胞)、インスリンを分泌するβ細胞(B細胞)、ソマトスタチンを分泌するd細胞(D細胞)、膵ポリペプチドを分泌するPP細胞、グレリンを分泌する?細胞の5種の細胞からなります。

 

 

問題99 心拍数が減少する要因として、正しいものを1つ選びなさい。

1.精神的緊張
2.怒り
3.体温の上昇
4.睡眠
5.激しい運動

答え:正解 4
1、2、3、5 × 運動はもちろん、精神的緊張、怒りによって心拍数は増加します。心拍数、脈拍数の増加(体温が1℃上昇すると心拍数は毎分8回増加します)
4.○ 睡眠が深くなるにつれて心拍数は増加します。

 

 

問題100 唾液に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.1日に3?ほど分泌される。
2.小唾液腺には、耳下腺、舌下腺及び顎下腺がある。
3.唾液に含まれる水分は、50%程度である。
4.唾液には、消化酵素が含まれる。
5.唾液分泌中枢は、小脳にある。

答え:正解 4
1.× 唾液の一日の分泌量は通常で1〜1.5?です。
2.× 唾液腺は、大唾液腺と小唾液腺に分類されますが、脊椎動物の大唾液腺には、顎下腺、舌下腺があり、哺乳類にはさらに耳下腺がある。
3.× 唾液には99%の水分が含まれています。
4.○ 唾液にはアミラーゼが含まれています。アミラーゼは、でんぷんをマルトースに分解する消化酵素です。
5.× 唾液分泌中枢は、小脳ではなく延髄にあります。

 

 

問題101 皮膚に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.表面は無菌である。
2.ビタミンB(Vitamin B)の産生にかかわる。
3.表面は弱酸性である。
4.表皮に汗腺がある。
5.エクリン腺は、体臭の原因となる。

答え:正解 3
1.× 皮膚の表面にはさまざまな微生物が存在しています。
2.× ビタミンDは、日光に暴露することにより皮膚で合成されます。
3.○ 健全な皮膚の表面は、通常弱酸性に保たれています。
4、5 × 皮膚組織の奥深くには、エクリン汗腺と、アポクリン汗腺の2種類の汗腺があります。アポクリン汗腺は、わきの下やへその回りなど、体の一部にあり、たんぱく質、脂質、糖質、アンモニアなどを含んだ汗を出します。この汗に皮膚の常駐菌が繁殖して臭いが発生します。

 

 

問題102 疾患に伴う歩行の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。

1.パーキンソン病(Parkinson disease)では、小刻み歩行がある。
2.筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)では、失調性歩行がみられる。
3.アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)では、小振り歩行みられる。
4.変形性膝関節症(knee osteoarthritis)では、間欠性跛行がみられる。
5.脊柱管狭窄症(spinal stenosis)では、動揺性歩行がみられる。

1.○ パーキンソン病の四大症状とは「手足がふるえる(振闘)」「筋肉がこわばる(筋固縮)」「動きが遅い(無動)」「バランスがとりづらい(姿勢反射障害)」です。小刻み歩行もパーキンソン病の症状のひとつです。
2.× 失調性歩行とは、歩幅が一定せず、ぎこちなくバランスをくずした歩き方であり、筋萎縮性側索硬化症ではこの特徴はみられません。失調性歩行は、脊髄小脳変性症、小脳炎、小脳腫瘍、小脳の血管障害などが原因です。
3.× 小振り歩行とは、左右2本の松葉づえを使った歩き方であり、歩くときに左右の松葉づえを越さない位置まで前進させる歩き方です。パーキンソン病の症状ではありません。
4.× 間欠性跛行とは、歩くと足に痛みやしびれを生じ、少し休むとまた歩けるようになる症状です。動脈硬化などの下肢に血行障害があるときに起こり、歩くと強い痛みを生じる変形性膝関節症ではみられません。
5.× 筋肉の病気では主に四肢の体幹に近い部分の障害が強いため、身体を左右に振りながら歩行します。動揺性歩行とは、四肢の体幹に近い部分の障害が強いことから、身体を左右に振る歩き方です。脊柱管狭窄症では、間欠性跛行という歩行障害が起こります。

 

 

問題103 栄養素に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.糖質は、細胞質の主成分となる。
2.脂質は、ホルモン(hormone)の原料となる。
3.カリウム(K)は、血圧を上げる。
4.ビタミンA(Vitamin A)は水溶性である。
5.ビタミンB(Vitamin B)は、腸管からのカリウム(Ca)の吸収を促進する。

答え:正解 2
1.× 糖質は、中性脂肪に変えられて体内に貯められてエネルギー源となります。
2.○ 脂質は、エネルギー源となるほか、細胞やホルモンなどの構成に関与します。
3.× カリウムには、血圧を低下させる作用があります。
4.× ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEは脂溶性です。
5.× ビタミンEには抗酸化作用があり、老化防止に効果があります。また、血管を拡張して血流を活発にします。カルシウムの吸収を促進するのは、ビタミンDです。

 

 

問題104 入浴を避けるべき状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.胃ろうカテーテル留置
2.全介助
3.褥瘡
4.食事の直後
5.尿道カテーテル留置

答え:正解 4
1.× 入浴時には瘻孔や胃ろうカテーテル留置を保護する必要はなく、入浴後は乾いたタオルでよく拭いて自然乾燥をさせます。
2.× 全介助であっても入浴は可能であり、衛生上も好ましいです。
3.× 褥瘡には、皮膚を清潔に保つことが重要であり、入浴は、血行促進の効果もあり適切です。
4.○ 食後すぐの入浴は、胃や腸に血液が集まらずに消化不良につながるほか、食べた物が逆流してのどに詰まる危険もあります。
5.× 尿道カテーテル留意の場合であっても、感染対策を行えば入浴は可能です。

 

 

問題105 認知症(dementia)の人によく見られる排尿障害として、正しいものを1つ選びなさい。

1.溢流性尿失禁
2.腹圧性尿失禁
3.心因性頻尿
4.切迫性尿失禁
5.機能性尿失禁

答え:正解 5
1.× 溢流性尿失禁とは、自分で尿が出にくいのにもかかわらず、意に反して少量ずつ漏れてしまうことをいいます。原因疾患は、前立腺肥大症、尿道搾取などがあります。
2.× 腹圧性尿失禁とは、急に腹圧が高くなった時に尿がもれる状態をいいます。骨盤内手術、妊娠・出産、加齢等によって起こります。
3.× 心因性頻尿とは、身体的な要因ではなく、ストレスなどの精神的な原因から頻繁に尿意を感じる状態をいいます。
4.× 切迫性尿失禁とは、尿意が切迫してから我慢できずに失禁することをいいます。原因には、脳血管障害、パーキンソン病などがあります。
5.○ 機能性尿失禁とは、排尿機能が正常であるにもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁です。

 

 

問題106 高齢者の睡眠の特徴として、適切なものを1つ選びなさい。

1.夜間の睡眠時間が長くなる。
2.ノンレム睡眠の時間が増える。
3.中途覚醒が多くなる。
4.眠りが深くなる。
5.早朝覚醒が少なくなる。

答え:正解 3
1、2、4、5 × 
3.○ 高齢者では、睡眠は浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加します。これは、加齢によって、血圧、体温、ホルモン分泌などの睡眠を支える生体機能リズムが変化することによりますが、これだけでは異常とはいえません。

 

問題107 終末期において、死亡直前にみられる身体の変化として、正しいものを1つ選びなさい。

1.筋肉の硬直
2.皮膚の死斑
3.尿量の減少
4.関節の硬直
5.角膜の混濁

答え:正解 3
1、2、4、5 × 
3.○ 終末期には、チェーンストークス呼吸、肩呼吸、下顎呼吸が見られます。体温の低下、四肢冷感、血圧の低下、口唇や爪などでチアノーゼが目立ちます。食欲がなくなり、噛む力や飲みこむ力が弱くなります。脱水や腎機能が衰えると、尿量が減少します。褥瘡ができやすくなるといった身体的特徴がみられます。

 

 

問題108 Hさん(75歳)は、妻と二人暮らしであったが、最近、妻が亡くなった。その後、Hさんは親せきや知人とも会わずに、自室にこもっていることが多くなった。また、夜間は妻が使っていたタンス前に座ったり、台所で妻の好きだった食器を出したりして家の中をうろうろしている。

       妻と死別後のHさんの夜間の行動を説明する悲嘆反応として、適切なものを1つ選びなさい。
1.探索行動
2.否認
3.敵意
4.無関心
5.恐怖

 

答え:正解 1
1.○ Hさんが、夜間は妻が使っていたタンスの前に座ったり、台所で妻の好きだった食器を出したりして家の中をうろうろしているということから、探索行動が適切です。
2、3、4、5 × 悲嘆反応は、人によってさまざまな表れ方をするとともに、時間の経過によって変化します。